クライマーは、程度の差はあれ、出し切ることを好む。追い込みすぎて翌日痛みで動けない、平日登りまくって土日ずっと寝たきり、そういうのはザラである。
しかし陰陽相和すということで、レストもやっぱり必要である。
トレーニングの反対は、トレーニングをしないこと。登る反対は、登らないこと。進化の反対は、退化ではなく無変化。
雨の土日をだらっと過ごす、たまにはそんなのもいいだろう。もちろん、キッズたちは関係ないよ。登る以外で狂喜乱舞してくれればいい。オッサンになってきて、またぞろグレード更新など目論むと、回復のために何かしらせざるを得なくなってくると、そういう話。
この手のトピックはつまるところ「やりすぎ注意」に尽きるのものの、そんなこと言われてもねえ。聞く耳持ちづらい。チンタラやってちゃ現状維持がやっとだぜ! もしあなたがトレーニング好きなら(ラッキーだ)、レストではなく、リカバリートレーニングと考えたらよろしい。
そのトレーニング法もこれまたいろいろだが、費用も手間もかからず、パートタイムクライマーに実現可能そうなものを、いくつか選んでまとめてみた。
・よく眠る
回復したけりゃ寝るのがいちばんてっとり早い。睡眠時間を15分伸ばしたら回復率が5%近く上がったという研究があるくらいです。朝起きるのを遅らせるより、早寝したほうが現実的だろう。朝は仕事に行かんとな。
・少し余計に水を飲む
スポーツドリンクやエナジードリンクはあるし、電解質がどうとか、カフェインがどうとか、アミノ酸がどうとか騒がしいけど、水が安いしカロリーもないし自然だし、これを少し多めに摂ればそれでOKですぜダンナ。
水分が足りない状態だと筋肉痛が長引いて回復が遅れるのは確かだが、さりとて「われわれは常に渇いている」とまで言うのはちょっとねえ。むしろ精神の方ではあるまいか。
水分補給の状態の目安は、尿の色を見て判断しよう。
・トレーニング後に食べる
3度の食事がその時間帯に来るならそれでよし、そうでなければトレーニング後に150〜250カロリーのタンパク質主体の軽食を摂る。アルコールは避けましょう。単糖類はどうかな。あと寝るだけなら構わないか。ちょっとまだ未整理です。
・昼寝
レスト(1)にも書いた通り、昼寝はいい。トレーニング後数時間のうちに、15〜25分で昼寝できる条件が揃ったら是非。それ以上の睡眠は夜の睡眠に悪影響を与えるので、そこを守りつつ実施すると良さそうです。
ハイ、カロリーを消費して痩せようとか、持久力をつけようとか思っちゃあいけません。循環を良くする目的で行うのだから、ちょっとだけ心拍数と体温を上げればそれで必要十分である。
・交代浴
疲労回復にはいいですね。たんに冷やすだけの方が効果が高いのか、わからないが、まあ銭湯にでも行って、風呂―水風呂を2〜3セット繰り返すのはかなり効果的。サウナ―水風呂もいいねえ。あ、己が好きなだけか。
くれぐれも頑張りすぎないように。
・アルコールを控える
脱水するし毒だしロクなことはねえですぜダンナ。ビールは2杯、ワインは1杯くらいのところで、飲む前に水を飲もう。まあこれで話が済まないから困るのだけど・・・
・トレーニング前にタンパク質を入れる
消化の妨げにならない程度に、あらかじめ筋肉の材料を摂ってしまおう、という趣旨です。
回復が難しくなってきたと感じるのも、ある意味では中級者になったしるしであると言えるかもしれない。先に行くほど、上達のために大きな負荷をかける必要が出てきて、すると放っておくだけでは回復しきれなくなってくる。
強度を上げることを考えるだけでなく、現在の強度のセッションからさらなる効果を引き出すという観点からレストを捉えることができれば、長期的に見て怪我も少なく、また生活のクオリティも上がって、いい感じになるんだろうな~。