デンガラダッタ

 「最良なる預言者は過去なり。」

 ―バイロン

 

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 バッドニュース。年末セールを期待していた半笠エギが生産終了の方向だという。なかなか在庫補充されないと思ったら、そういうことだったのか。ひと月かけてようやくセッティングを出したというのに、これでは来年のイカ釣りが思いやられる。

 ウェブ上では早くも値段が上がっていた。困るんだよなそういうの。

 仕方がないので、手元にたまたま残ったエギを見本に、似たような沈み具合と姿勢のエギをもう一度つくるしかない。控えめに言って難儀である。

 

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 近所の古本屋で見かけた1995年発行の『ビギナーのための最新海釣り』(長瀬川忠信・成澤哲夫共著)によれば、当時の餌木にはA型、O型、M型、ジョイント型とあったそうだ。「キャスティングにはA、O、M型、シャクリにはM型、ジョイント型を使うとよい」と書かれていた。このM型が大分型なのかどうかは本の絵を見てもはっきりしない。ヤマシタのH型との関連も不明。

 

 ちなみに型には大分、山川、五島、山陰とあるようで、そのうちキャスティングに向いた形状が大分型と山川型ということらしい。上反りのボディで重心がリアに寄っているのが山川型で、高く跳ね上がって長くフォールするという。ヤマシタのエギ王JPがそのように見える。そういえばH型も同形である。

 

 本に載っていた釣り方は「カウントダウンして底近くまで沈め、ゆっくりリトリーブする」というもの。巻いたときにエギの頭が上がって、そこから下がるときにイカが乗る、と書いてある。やはりズル引きといっても実際は底付近で、リーリングの強弱で食わせの間をつくるということのようだ。

 例示されていた仕掛けの道糸は12~20lb(!)、おそらくナイロンを想定していると思われる。夜釣りが基本で、日没から3時間くらいがいいと書かれていた。

 

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 そんなこんなで、釣具店の中古コーナーを回って半笠の安エギを物色していたら、昨日の今日でジョイント型のエギが本当に出ていたので110円で買ってきた。バス釣りのビッグベイトのような発想なのか、完全に魚をイミテートする方向である。つくづくエギというものはよくわからなくて面白い。

 あとは五島型と山陰型か。これも要継続探査。