カガク(2)

 前回のつづき。ホースト氏曰く、主な陥穽は2つあって、

 

1 クライミングでは3つの代謝系を全部使うので、1回のセッションで3つともトレーニングしようとする。たとえば

 

・キャンパでパワトレ

 

・フィンガーボードでパワーエンデュランスのトレーニン

 

・4×4で〃

 

・さらにキャンパをして〃

 

・ルートで登れなくなるまで追い込んで有酸素乳酸系のトレーニン

 

 個人的には、こんだけやったらむしろ立派だと思うけど・・・まあいい。つづいて

 

2 ハードなスポートクライミングでフォールするいちばんの原因はパンプだから、クライミングでもトレーニングでもひたすらパンプさせようとする。

 

 パンプさせて筋肉を使い切らないと満足しない症状。筋肉痛が出ないと筋トレをした気にならない、というのと似ているな。わからんではないよ。わからんではないが…

 

 で、どう考えるのかという話になって、

 

1 トレーニングでは1回にひとつの代謝機構にフォーカスした方がいい(身体の反応がバッティングしないように、そして疲労を減らすため)。

 

2 1の期間は2〜4週間くらいはとるべき。その他の代謝機構に関しては、維持するために週1〜2回入れる。

 

3 上級者は週3回までの1日2回セッションを行っていい。その場合4〜6時間は空けること。たとえば

 

午前:有酸素系持久力(低強度) 午後:ストレングス(無酸素)

 

午前:ストレングス(無酸素) 午後:パワーエンデュランス

 

 アダムがやっているようなものか。正直縁遠い。

 

4 上に行けばいくほどよりニュアンスに富んだトレーニングプランが必要になる。

 

 まあ、そうやろうな。

 

 各代謝系ごとのトレーニング強度のガイドラインは以下。

 

1 無酸素非乳酸系:10秒以内のフルパワー。レストとの割合は1:10〜1:20。パンプしない。

 

2 無酸素乳酸系:すんごいパンプする動き。20秒〜2分くらい。レストとの割合は1:2〜1:3。

 

3 有酸素:ARC。または3寄りの強度で3〜5分のインターバル(この場合、登攀時間とレスト時間の割合は1:1)。

 

 1セッションで複数の要素をカバーしない方がいいといっている。身体が適応するためにはそのほうがいいのか。学会発表にちかいものだから裏づけはあるのだろうけど、もうちょいしらべてみないとな。

 

 仮にこれを信じると、数か月まえの記事に書いた疑問は氷解する。パワーの日はパワー、パワーエンデュランスの日はパワーエンデュランスとすればいいわけか。

 

 また、この考えにしたがえば、ある意味でシンプルにはなる。4週間、もっと単純にひと月ごとに考えるとして、週4で登っているとしたら、そのうちの2回はメインとなる代謝系(パワーなら1)の動きをして、のこる2日で残り(2と3とか)をケアすればいいわけか。それでひと月ごとに1〜3をうごいていけばいい。

 

 3についてはうんと強度を落とせばダウンにも使えるから、週3クライマーなら2日パワーで1日パワーエンデュランスとし、パワーの日のどちらかに、ダウンとしてARCを入れればいいだろう。その場合、3に注力する1か月間はARCよりは2に近い強度の練習になると思われる。ボルダラーならここがスキルトレーニングになりそう。ガイドラインはトレーニングしながら自分で強度を測るのに使えそうだ。

 

 しかしこういうのは書いているだけでアタマが痺れてくる。『頭文字D』の高橋涼介じゃあるまいし、机に向ってパソコン眺めるだけでは上達は望めまいて。

 

 つづきはレスト日にでも考えよう。以上、連絡おわり。