カガク(1)

 アメリカにはロッククライミング研究者連盟のようなものがあるらしい。日本でもスポーツ・身体運動系の分野で前腕の筋力の変化等を調べたものを見たことはあるが、クライミングに特化した研究自体がそんなにないような・・・いや、調べたらあるのかな。

 

 そういえば昔、知り合いにクライミング中の乳酸濃度を調べようと考えた奴がいたが、運動中の変化を調べるのはけっこう大変みたいです。機器を適当にバックパックみたいに背負うというわけにはいかないらしい。高いんだって、ああいう機械。

 たしかに、腕だか脚だかにチューブを刺して登るなんてちょっと現実的じゃないのかな。一定期間、種々の条件下でクライミング前後に計測すれば、それだけでも投稿論文くらい書けそうな気もするが。

 機器を壁のあるところまで持ち出すのに申請とかがすこぶる面倒なんだと。ふーん。

 

 ・・・おっといけない、話を戻そう。そのアメリカで2016年に行われたシンポジウムにおけるE・ホーストの発表が一部載っていたので要約。つくづく科学を持ち込むの好きだよね。合理的実践主義というか、何となくグレーなままにしておけない性格なのか。対象が人間だからなかなか科学にはならんのだけど、そんなことにはおかまいなしである。

 

 どのようなトレーニングがより効果的かを探ろう、というのがテーマで、要は「ローリスクハイリターンで効率的に強くなるために科学的に考えよう」というものです。まあ何かちょっとアレですね。趣というか、風情というものがない。

 

 基本はエネルギー代謝機構の話で、概要は以前の記事に挙げたのと変わりはない。トレーニングのピラミッドから話は始まって、下から

 

1 トレーニングとしてのクライミング

2 拮抗筋のコンディショニング

3 クライミングに高度に特化した個別のトレーニング(キャンパスボード、システムボード、フィンガーボード)

4 エネルギー代謝機構に応じたトレーニン

 

 に至るという。ウン、普通だな。

 

 つづいてエネルギー代謝機構に応じたATP生成の過程について解説されている。この辺はよう知らん。ひとまずATPの安定供給がパンプ撃退に不可欠なのはたしか。

 無酸素非乳酸系だとホスファゲン、無酸素乳酸系だと糖分解、有酸素系だとミトコンドリア呼吸。これらは運動強度と持続時間によって使われる度合いが変わってくる、とのこと。

 

 なんかアタマ痛くなってくるな〜。(続く)