敬して遠ざける

 パーキンソンの法則

 

1 仕事の量は、完成までに与えられた時間のぶんだけふくらむ。

 

 一日で終わる仕事も、一週間与えられたら、一週間かかる(チンタラやるのか、質が上がるのかまでは知らぬ)

 

2 支出の額は、収入の額に達するまでふくらむ。

 

 何だかんだ言いつつ組織の年度予算は毎年ちゃんと消化される。

 

 

 貯金がしづらいのは2のせいか? ともあれ、1はクライミングにもあてはまりそうである。

 

 フーラリフラリと風来坊、そのときどきに岩場に立ち寄っては己の現状をはかる、そういうのが格好いいと思うものの、時には期限を区切って取り組むのも大事なのかもしれない。過程はたしかに大事だけれど、無意識にそれを言い訳にしてしまう危険もなくはない。結果への無関心は限界プッシュから己自身を遠ざけてしまうだろう。

 

 「近所の岩場なんていつでも行けるから」と思っていると1の水増しパターンに陥る可能性がある。ロックトリップはこれを防ぐのにも良い手立てであるといえそうである。

 

 全力でことにあたらねば学びはない。全力で手を伸ばさなければ、己の手のとどく範囲を知ることはできない。結果に拘りすぎるのは不健康だが、長期的な大目標達成に向けたメンタルとのバランスがとれるなら、短期間の小目標を設けることは有益なのではないかと思う。

 

 たとえば岩場に行ったとき、目標とするメインの課題のほかに、もうすこし易しめな、それでいて何かしらじぶんにとって新味のある課題を設定するのはどうだろう。ピンとこない人は、目標課題のなかで小目標を決めてみてはどうか。ひとまず全ムーブバラす、とか、核心までつなげる、とかそういうの。

 

 たしかに岩は待ってくれる。しかし、われわれに与えられた時間は限られている。「課題は逃げない」とつぶやくより、高すぎるくらいの目標を設定して、つぎこんで、そのうえて敗退する、くらいの方がいいなあ。

 

 あ、最後には登りますよ! いまに見てろ、なんつって。