修羅の門

 よくいわれることに「リードばかりしているとデッドがへたになる」というのがあるが、これは動的にポジションに入る感覚がうすれるからだろうか。

 

 完登のためにレストが不可欠となるリードクライマーがホールドを掴んでから最適位置をさがすのがうまいのは、まあわかる。

 これに対し、ボルダラーは掴んでからゆっくりポジションをさがす余裕はないから、ムーブを起こしたときの力をうまく使って、動きをとめずに流れるようにポジションに入る。このあたりが彼の種族の面目躍如といったところだろうか。

 

 研ぎ澄まされた身体感覚と伸張反射および柔軟性が生み出すリズム、それがボルダラーの持つグルーヴで、修羅たちはその世界に住まっている。