あれだ、何だ、週末になるといいかげんいやになってきて、金曜なんてもう疲労困憊で、それが土曜に岩を触るとぐっと気分がよくなって、と思うと日曜の夕方からまた憂鬱になって、そんな暮らしがありますね。月曜からずうっと馬車馬な人もいるだろうし、そういう人にとって、土曜の雨は災難である。何せ使役馬のように働かされちゃかなわない。
それにしても外にいて岩を触っているときに得られるあの余分な力の抜けた快適な感じ、あれは何なのだろうな。
ルーティーンから離れて、冒険的な状況に身を置いて、己の内の恐怖や期待や目標と向き合う。高いところに行って「これはマズイ、落ちるかも」となってわちゃわちゃしたり「これは行ける」とか「これは登りたい」などとくるくる考えて夢中になったりしているうち、ふと見まわすとそんな感じの人ばかりである。それもどうやら助け合う仲間というよりは、たんに同好の士があつまっているだけのようである。
どうやらこのあそびがわれらを瘴気から癒し正気に戻しフィジカルもまあ救ってくれているのはたしかであるらしい。このあたりは直観的に首肯されると思う。
まあ、あらゆるスポーツはストレス発散という意味ではメンタルに良い影響をあたえるといえてしまいそうだけど、クライミングやサーフィンなどは、もうすこし違ったふうに扱われているような気もする。(この項了、次回に続く)