稲庭うどん

 登るだけで伸びているひとは初級者。それだけで伸びなくなってきたら中級者の仲間入り。では中級者と上級者の境目は? 乗り越えたプラトーが数えられなくなったら上級者? どうだろう。すこしちがうような気もする。

 

 トレーニングプランをしらべていると、初級者向け、中級者向け、上級者向けと分かれていることがよくある。初級者向けはともかく、中上級者向けのトレーニングのちがいって、よりニュアンスに富んでオーダーメイドになっていて、あとは単純に想定している負荷が高いというくらいで、中身が劇的に違うわけではない。

 

 重要なのは必要な質の修業を継続することである。このあたり、自分に合っているかどうかを判定するのが自分だし、努力具合を判定するのも自分だから、なかなかむずかしい。

 

 これがパーソナルトレーニングになると、プランはそのへんに転がっているものでも十分に成果が出る。他人にセッションの質を判断してもらえるし、やらされるとせざるを得ないし、それに時間と金を費やしている事実が背中を押してくれるからだ。客観的な評価と頑張れる仕組み、それがパートレのいいところで、これはトレーナーのレベルうんぬんより、制度としてのメリットだと思われる。

 

 見方を変えると、何となくパートレを受けても伸びなくなってきたら上級者の仲間入り、としてもいいかもしれないな。トレーナーを選ばざるを得なくなってきたらこれはもう上級者の仲間入りだろう。

 

 もっというと、登るために何が必要かを考え、対策を立て、継続的に実行できるようになったら、自力でこれができるようになったら、一人前といってさしつかえなくなるのかな。すなわちセルフコーチできるようになったら上級者、というのはどうだろう。

 

 話は逸れるが、リードグレードで〜aが最高グレードになっているケースが多い、とどこかで読んだことがある。メンタルのひと区切りがついてしまうのかもしれない。ボルダーでも、まわりの人間がジムで2段など平気で登っていれば、初段まではがんばれたりする一方、そのジムの最高グレードが1級だったら、そこで満足してしまったりする場合もあるのかもしれない。

 

 そこでホームジムを移れるひとも上級者カテゴリに片足をつっこんでいるのじゃないかと思う。なじんだ環境から出るのは、思うほどたやすいことではないのだから。

 以上、連絡おわり。