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 コンタクト・ストレングス、すなわち接触筋力というのは、クライミングをはじめるまで聞いたことのなかったことばのひとつである。クライミングジャーゴンのオンパレードだから、最初は常連さんが何をいっているのかよくわからなかった。カチとかキョンとかスローパーとかサイファーとか。

 

 まあそれでなんとなく瞬間的に力をこめる能力として理解していて、このあいだもうすこし調べたら「力の立ち上がり率(RFD)」というのがあったのだよな、たしか。これを向上させるのに、全力スプリントのような動きをしなさいと、そんな話だったかと思う。

 

 これは、もっというとSSC(伸張反射)を活用するためにプライオメトリクストレーニングをしましょうと、こういうことになりそうである。クライミングで考えるとやはりキャンパシングが真っさきに思い浮かぶ。

 

 とはいえ、限界ボルダーでも、ダイナミックな動きをすれば刺激にはなるはずだ。思うに、ホールドに飛びついたとき、エッジだとわかりやすいが、とった瞬間に加速のついた自重で指が伸ばされそうになって、その次の瞬間に縮む。これは既に伸張反射だよな、たぶん。だからデッドポイントだってランジだって指と前腕のSSCは使われているのだと思う。

 

 そのうえで、この引き伸ばされた後に縮める動きを積極的に向上させるのに、ボルダー課題よりキャンパのほうが特異的だ、とだれかがいいだして、どの種目がもっとも好適かと考えたときに、リバースダブルが挙がったと、そんな流れであろうと推察される。

 

 「リバースダブルはカッケェ〜けど負荷が半端じゃないので、さきにタッチーズからはじめよう」と、本記事はそんな趣旨です。あとはスピードをつけたキャンパもSSC的にはいい気がする。順序としては短い距離のスピードキャンパからタッチーズ、だろうか。パパパパって行くのはやってて面白いし。

 

 以下、改めてタッチーズの解説。

 

1 15-20分のウォームアップ。仕上げに段階的に小さいホールドにぶら下がる。このときに痛みや違和感がすこしでもあればその日のセッションは中止する。

 

2 タッチーズのガイドライン、といっても簡単。5-7回ずつ左右。これを2-3セット。セット間休憩は5分程度。1セッションあたりトータル3種目までとする。

 

 強度はホールドのサイズと距離で調整する。エッジで行うのが一般的だがスローパーでも実施できるだろう。ポケットは上級者向け。

 

 痛みや違和感はもちろん、疲れるまでつづけないこと。何度も書くがLess is moreである。これも黄金律のひとつかと。

 

 ちゃんと守れれば4週間くらいで変化が出る。そうしたら別の分野に移って、また戻ってきてすこしだけ負荷を上げる。そんな順序ですすめていく。

 以上、連絡おわり。