コウ

 故岡田喜一博士による『薩摩烏賊餌木考』が名著だというので調べてみたら定価が16,000円だった。4桁越えはちょっとなあ、そう思って図書館にないか調べてみたものの、ちょっとなさそうである。国会図書館で閲覧するしかないのか。控えめにいって億劫である。

 

 餌木とはイカ釣り用のルアーのことで、漁具として江戸時代から存在しているらしい。パッと見エビとも魚ともつかない、不思議な形をしている。釣具屋に行くと壁一面にこれが並んでいることがあって、圧巻というか壮観というか、しばし呆気にとられることがある。色や形や素材の違いだけなく、微妙に重心位置が違って、潜行速度や沈下姿勢に影響を及ぼすらしい。

 

 イカは低カロリー高タンパクな上、アミノ酸をバランス良く含む優秀な食材である。冷凍もできるし、何より食味がいい。釣らない手はないな。