指(3)

 指トレのことをいろいろ調べて行き着いたことには、最も効率的なフィンガーボードトレーニングプランは、実はもっともシンプルなやつなんじゃないかと。

 

 われわれはそれぞれに登攀スタイルも違い、出せる強度も違い、主戦場も異なる。魔法の弾丸は存在しない。仮に最高グレードが4級の人間が岩場に行ったら、たぶん4段は触らないだろう。これがトレーニングになると、強い修羅たちが行っていることを真似たくなる。筆者もそのクチである。しかしながら、少なくとも指トレにこの思考法は当てはまらない。Start from where you are、地道にコツコツ、継続が力であるようです。巷の動画はモチベーションを上げるためだけに使って、メニューを真似しないほうがいい。

 

 また、皆がやっているスタンダードなトレーニングだからといって、それがあなたに合うかはわからない。だから、人と違うトレーニング法になっても、気にしすぎないことである。

 

 したがって、ひとまず自分にとってもっとも実施しやすいと思われる方法を選んで、プラトーになるまで行えばいい。それで頭打ちになったら、変数を変えるか、方法そのものを変えるか、キャンパ等の別のトレーニングに移行していけばいい。

 

 「ずうっとこれだけやっていればOK」というトレーニングは存在しない。強いて言えばそれはクライミングそのものだろう。

 トレーニングとしてのクライミングをどう考えるかについては、また別の話。別の機会に、考えることにしよう。