炭水化物が太るというのは、ほんとうかウソかといったら若干本当寄りかもしれないというくらいで、ほとんど気にしなくていいように思えてきた。われわれ一般人の減量は最後にはカロリー収支のところに戻ってきて―数値で確認できる上にシンプルで説得力が高いのであたかも原則のようにふるまっている―、炭水で摂ろうがタンパク質で摂ろうが脂肪で摂ろうがおんなじだ、と決めつけてしまうには、われわれはあまりにも人間的すぎる。
おなじものばかり食べるのは飽きてくるからむずかしいし、それゆえに食べつづけることができれば結果的に食べすぎないですむシナリオが見えるから、カロリー的には勝てる可能性があるが、どうも健康的とは思えないし、それが大して好きでないものだったりすると、継続するのは精神衛生上よくなさそうである。
なるたけ精神の力を使わない、じぶんにとって辛くない方法を探してひとは種々の減量法をためすのであるから、巷間に様々な食事法が溢れているからといって、だれを責める話でもない。
翻って、ある程度の品数を摂ろうとすると、何を選ぶかでまた躓くのだな。これについては、できるだけ単純に考えること、定期的に減量法を変えることで、うまくいく可能性があるかもしれない。目先を変えてごまかすわけだ。趣味がダイエット、というのは、こうした戦略を無意識にとっているものと考えられる。
減量の目的が純粋に目方を減らすこと以外にある場合―パフォーマンス向上のための減量もそう―、いちど達成しておくことは非常に重要である。ゴール地点から見える景色がどのようなものか、わかっているのといないのとでは、減量時の精神的負担はずいぶんちがってくる。
減量してこの重さでこのくらいの身体組成になったとしてほんとうにパフォーマンスが上がるのか? 最大瞬間風速のように一瞬だけではどうにもならないし、中長期的に見てダメージのほうが大きいようだとやっぱり困る。
行き詰まったら、ウェブ上でビルダーの食事法などながめてみるといいかもわからない。あれは何というかもう、べらぼうな感じである。実践できる気はしないが、とても興味深く読める。
無視できない「満腹感」というファクターについては、またおいおい考えよう。以上、連絡おわり。