中本

 屋島湾の水温が14℃を越えたということで、仕事終わりに近所に出かけた。

 

 このポイント、近くに流入河川もないし、湾でもない、ただの堤防である。水深は10メートル弱、岸壁から15メートルくらい先に藻と海藻がある。昨年の秋口には墨跡も見えたし、12月頭にアオリを釣ったという人の話も直接聞いたので、釣れなくはない、はずだ。

 

 とはいうものの、まだ4月だし「香川の春といえばサワラだろう」ということで、メタルジグを放ってみたら距離が足りない。潮目にぜんぜん届かない。底は取れるから、釣っている感じにはなるものの、例によって生体反応なし。海藻釣りの様相を呈してきたところで、道行くおじいさんに「イカな?」と訊ねられる。

 

 「やはりここでイカが釣れるんか」そう思ってエギを投げてみるが、やっぱりラインの動きでは底が取れない。ディープタイプを投げてもはっきりとは感知できない。カウントダウンと併用して、ようやくズル引きできる感じである。したがって当然のように藻を拾ってくる。

 

 メディアだと釣り人たちが平気で海藻の上をトレースしているが、こんなん本当にできるようになるのかよ、という感じである。

 

 ともあれルアーを失くさずに帰ってこられたのは良かった。次は仮面シンカーか何か足して、まず底を取る練習からはじめよう。