ヘイル

 ホップ。緑のエビスがたまに店頭にお目見えするとそれだけで嬉しくなっちまう。

 

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 こないだ「クライマーにはなれそうもない」と書いておいて、岩場に至る坂道を登るのがおもしろくなってきている。登坂速度は控えめに言ってすこぶる遅く、さらに坂道はツラい。なのになんでか。

 

 ひとつには計測したからかな。近ごろはスマホアプリでタイムやら平均速度やら獲得標高やら最高速度やら、ボタンひとつでわかるうえに、おなじルートを走っているひとの記録を見ることもできる。

 

 そしてひとりタイムアタック自体もいい。何がいいかって「PB更新!」などと表示されるとそれだけで満足してしまう。他愛ないと言われりゃそれまでだけど、できなかったことができるようになる、前回の自分より進歩しているというのは、大いに発奮材料になるのである。一手すすむと狂喜乱舞するのと何ら変わりはない。

 

 岩登りも自分の日々の細かな推移を計るようにしていたら、もうすこしマシになったのかもしれない、などと思いながら今日も山に向かう。やっぱり計らないんだけどね。