Ultra Race

 首尾よくタコが釣れたらどうするか。ひとまず陸に上げ、竿とリールと糸を痛めないよう、そっと置いて、タコを捕らえにかかる。もう核心は成功しているし、時間的猶予もあるので、慌てずさわがずムーブをこなすことが第一である。

 

 竿に足を引っ掛けたり、タコが糸を巻き込んだりしないよう、気をつけておく。何せ胴体の部分を持つのが肝要である。餌木の鈎には返しがついていないので、ガチャガチャやっていればそのうち外れてくれる。

 

 タコは眉間の奥に急所があるが、目の反対側から胴体を裏返して、内臓を取ってしまうのがてっとりばやい。巻きつかれて手を焼くようなら、自分の足でタコの手を踏んで押さえると多少やりやすくなる。

 

 なお、内臓を取っても急激なパワーダウンは期待できない。とにかくタコの生命力というのは半端ではない。初段くらいはあるんじゃないだろうか。

 

 したがって相変わらず手にくっつかれないよう注意しつつ、水際で洗って砂や墨をとりのぞく。あとはジップロックに入れて、保冷袋に放りこんでおけばひとまずOKである。

 

 塩揉みして茹でた方が生で食べるよりも旨味は膨らむようである。また、冷凍するとヌメリがとれやすくなるとのこと。イカと並んで優秀な食材なので、調理法はわんさとある。グーグル先生に聞いてみよう。

 

  タコは食味はもちろん、疲労回復効果の高いタウリンを豊富に含み、低カロリー高タンパクなのでクライマー向きと思われる。弱点があるとすればプリン体が多いところだろうか。

 

 しかしこれにしても、プリン体の大半は体内での代謝の過程で生じるので、食事からの割合は思っているより低いはずなんだけどな。ちょっとこれまた先生に確認しておこう。

 

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 追記。片栗粉で揉むと塩気が入らなくて具合がいい。以上、報告おわり。