オブザベーション

 登るとき、指から前腕から足先から脳みそまで全部を使う。と、いうか、あらゆるスポーツは真剣にやっていけば早晩全身を使うようになるよな、そりゃ。

 

 クライミングなら、爆発的な動きにはパワーが、デリケートなムーブにはバランスが、登攀距離が長くなれば持久力が、それぞれ必要となる筈だ。そこにムーブを読むオブザベーション能力と、厳しい状況に対応するメンタルが加わってくると、こうなるか。

 

 オブザベーション能力をどうやって向上させるかについて、このところよく考えている。ジムでも岩でもレッドポイント狙いなら、そんなに関係なくなるのかもしれないが、やっぱり初見で登るのが格好いい気がする。まあそれは措いても、コンペの時などはオブザベーションが明確に明暗を分けるので、その重要さはどれだけ強調しても足りないくらいである。

 

 しかし練習法、ねえ。ひとまず視覚化はするとして、心構えとしては

 

・アップが終わって以降、すべての課題を一撃するつもりで取りつく

・オブザべができない限り課題に触らない

・数通りのパターンを想定しておく

・想定外の事態になってもすぐに降りないで粘る

・トライが終わったらレストの間に一人反省会をする

 

 あたりか。自分の身体のサイズや距離感をもっと精密に把握できればいいのだが。どうもセンスないみたいです。壁の中に入ると景色が変わって、それだけでホールドを見落としてしまったりするからなあ。ホント何年やってんだという話だが。いいかげん改善したいものである。