結論?

 最近、考えても当たり前の結論に戻って来てしまうことがけっこうある。せっかく考えたのにねえ。

 

 ともあれ、世の中いろんな人がいる。本当にいろんな人間がいて、てんでばらばらなことを考えているから、コントロールすることなどもってのほかである。我々は大抵は自分と周囲の幸福のために動いていく。ここで効用を測ってみたり最大化しようと試みるのははっきり言ってまずい手だ。半径数メートルの現実さえ制御不能な状況で何らか結論を出そうとすることが誤っている。一見正しそうな方法をひねり出せたとしても、いつでも我々は周囲に対して不足であるから過剰であるから―世界は我々の手に負えぬ―、大局観なき局所的な結論は、ハーメルンの笛吹きの如く僕らをとんでもなく間違った場所へ連れて行ってしまう。

 

 だから結論を出すときは、それがほとんどいつも暫定的なものであることを忘れないことだ。結論が欲しいことがらについてほんとうに結論が出るにはずいぶん時間がかかる、それを忘れないことだ。