Jungle Tiger Zoo Tiger

 という話が面白かったので要約。まあ例によってコンフォートゾーン(快適に感じる範囲)から出ましょうという話なのだが、とてもわかりやすくかつ面白かったので。

 

 ジャングルに放たれた虎と動物園で育った虎の違い、それは生まれ持ったフィジカルや能力ではない。違いは彼らの置かれた環境にある。一方はイージーで安全で、死に至る(動物園は安全で食事も水もあって、毎日が繰り返しだ。その虎をジャングルに置いたらどうなるか。そりゃあ、死にますわな。)もう一方のアプローチはスマートとは程遠く、何が起こるかわからず、そして厳しい(ジャングル)。しかし生存につながっている。

 

 スポーツも人生も、動物園で行われるわけではない。それらはフィールド(ジャングル、ひいては現実世界)で営まれる。過酷な現実の中で生き抜くためには、その環境下で適応するしかない。本当に単純なことだ。これに科学的な用語を当てはめたければ、特異性の原則に基づいた神経系トレーニングとでも言えばよかろう。

 

 このように一目瞭然かつド直球な話であるにもかかわらず、教師もコーチもこれを適用するのがとっても苦手である。教師はテストをし、生徒をレベルに応じてクラス分けする。コーチは競技動作から一部を取り出し、そこだけをくり返し練習させる。われわれは状況が少しでもコントロール不能になると我慢ならなくなる。教える側は常に単純で安全で秩序だったアプローチに導かれる。これはとりもなおさず教師が動物園の飼育係と化すことに他ならない。手ずから餌を与え、動物園育ちの虎を量産し、そしてもちろん、結果が出なければ怒り出す。

 

 われわれは自身に対しても同様に振舞いがちである。檻の中のコンフォートゾーンにいるのを好む。何が起こるか分からない未知を遠ざけ、イージーで安全な道を好む。すでに得意なことをするのはいいが、そうでないことをするのは嫌だ。われわれは動物園の檻の中で暮らしながらジャングルで生活できるようになろうとしている。誓って言うが、世の中そんなに甘くないのである。

 

 学び成長するために、われわれは檻から出ねばならない。コンフォートゾーンから出て、未知に出会い、新たな物事にトライし、苦手に着手し、キャリアアップし、授業では発言する、そうするのがよい。われわれは恐怖とたたかい、ミスを犯しながら、ジャングルで生きる術を学んでいく。

 

 あなたのコンフォートゾーンはどうなっているだろう? 自分から進んで入っている檻はどんな形だろう? 今すぐそこを出て、現実へ向かおう。われわれの伸びしろ、それは檻の外に広がっている。

 

 と、こんな感じの話でした。やれやれ、耳が痛いぜ。