やってみなはれ

 「トレーニング」は立派なバズワードだ。老いも若きもだれもがトレーニングしたがって、健康的な身体をめざして数分間のトレーニング動画を投稿したがっているようにみえる。トレーニングプログラムを売る側からすれば良いことだろうけど、探す側にはちょっとねえ。

 

 なにを探しているかって? 強くなるためのトレーニングである。

 

 当たり前だ。もっと正確に言おう。「いまの」自分に必要なトレーニングだ。さらにいえば、症状別の治療法のように分類して、一箇所に保存しておきたい。その試行錯誤の過程を記録するのに、ブログはいいかもわからない。

 

 なになに、ワークアウトとトレーニングのちがい、ですか? ワークアウトというのはアレです、汗かいて、疲れて、翌日筋肉痛になるやつです。要は「果てる」までやるやつ。トレーニングはもっと個別具体的で、目的に向かって進度を測りながら漸進していく。

 

 筆者のようなのは、トレーニングもワークアウトもしないで、年がら年じゅうあそんでいるのである。それだったらワークアウトすらフィジカルの底上げになって良さそうなものだが、何せ継続しないから、上達に結びつかないのだな。

 

 トレーニングのことをこれだけ書いておきながら、一向に実践できないというのだから、何とも言いようがないものの、あっさりとコーチを雇ってしまえば実際、強くなれるだろうと思う。欧米にはクライミングのためのトレーニングコーチは大勢いるし、彼らはワークアウトにとどまらない、あなた専用に練り上げたトレーニングプランを提供し、指導してくれることだろう。そうまでして強くならないわけがない。しかしねえ。

 

 ひと月でもトレーナーについてみたら、目も覚めるのか、どうか。自分がどうなりたいか、本当にそうなりたいと思っていれば、それなりの確率でそうなれるだろう。いつまでも半分眠ったままなら、誰かにやらされて、そのようにして強くなったあとで、もっと別の何かに気がつくかもしれない。

 

 煎じつめると「何でもやってみろ」ということだろうか。以上、連絡おわり。