They Say Your Style of Life's A

 Crimpの反対をDragと書いている記事を見かけた。いかにもぶら下がりという感じがしてくる。その記事の図解によると、クリンプとオープンでは引きつけ角がちがって、クリンプだとオープンより手前に引けるようになるらしい。

 まあそれはそうだよな。ピンチしてしまえば関係なく手前に引けるけど、そうできないホールドはけっこうある。

 

 スローパーをオープンで効かせるのにポジショニングが肝になるとすれば、カチを効かせるにはもっと握ればいい、となるか。こう書くとカチのほうがかんたんに力を出せそうだが、これも根本的に性質のちがうことがらだから、そもそも握ることがうまくできなければ、いくら握ろうとしてもうまくいかなかったりする。

 

 それにしても「オープンを鍛えればカチも強くなる」というのは半分くらいウソだよな。上述したように、カチが下手なままオープンを鍛えても、その力をカチにうまく変換できないと思う。カチにはカチの技術があるから、ひたすらオープンで持ってフルクリンプを使わなければそれでOKという話にはならない。

 

 スタティック/ダイナミック、カチ/オープン、パワー/持久力、この手の二項対立はいずれもナンセンスで―何せ対立させる必要がない―、どっちが大事かという問いはそれほど有効ではない。たまたまオープンよりカチが身につきやすいから、オープンに取り組ませるために上のようなアドバイスが生まれたか、あるいは実際にオープンに長く取り組んでいままで使っていなかった部分が刺激されて、引きつけの地力が上がり、その間カチで痛めていた部分がレストして、久しぶりにカチってみたら強くなっていたとか、そこらへんが真相ではなかろうか。

 

 ギュリッヒが「一本指ホールドはたしかにむずかしいけど、もし成功すればのこりの指はレストできることになる」とどこかのクライミング雑誌に語っていた記事を読んだことがあるが、真偽はさておきまずそのメンタルが凄いと思う。普通はなかなかそんな風にポジティブに捉えられませんよね。

 

 それでカチラーにとって簡単なのばし持ちの練習法はといったら昔ながらの3本指クライミング、これがやはりシンプルでとりいれやすい。フィンガーボードにぶら下がるよりも実践的でたのしいし。

 

 以上、定期連絡。