持久力(3)

 ストレニュアスなルートがひしめく米国はレッド・リバー・ゴージのローカル、ビル・ラムゼイは次のように語ったことがあるという。曰く「シェイクのトレーニング、ほとんどのクライマーがこれを怠っているんだ」と。

 

 まあ例によって門外漢だからあれだ、何となくわかるけど、何だかよくわからんぞ。たしかに、ガバに到達してようやくレストできるのかなと思って見ていると、数分後にそこから出てわずか数ムーブでフォールしてしまうというのはある気がする。

 

 聞いてみると「レストしすぎた」といわれるアレである。休んでいるのに回復しない、みたいなことなのか。よくわからない。

 

 長くてむずかしいルートにトライすればどこかでパンプする。だから回復しなくちゃならない。そりゃそうだ。でもどうやって?

 

 この種の回復力を上げる練習法がないかしらべてみた。

 

・10-15手の、ムーブを覚えていて問題なくこなせる課題と、ダウンクライム用のガバを用意する。課題のひとつ下にも(核心前の大ガバを再現)。

 

 課題をシェイクなしチョークアップなしで登り、ダウンクライム用のガバを伝ってスタートの大ガバに戻る。そことゴールのガバならシェイクもチョークアップもOK。2分レストして、フォールするまでくり返す。だいたい8-10回くらいになるように課題の強度を調整する。週2回のセッション、連登はNG。

 

・次のセッションではレストを1分半にする。次々回は1分。そして30秒。さいごはノーレスト。それから2分レストにもどってきて、回復に関してどう変化したかを見てみる。

 

 これで行くと1サイクル回すのに3週間かかる。次のサイクルではレスト時の足をわるくするか、ガバを小さくする。

 

 

 レストは技術で、技術だから練習しないと向上しない、とのこと。パンピーなルートか長モノボルダー課題、パンプはするが肘上がりやミシン脚にならない程度の課題で行うのが理想のようです。

 

 トレーニングのイメージとしては、登りきって、ラストガバでシェイクアウト、そこでとどまる。で、とどまりつつ手指をできるだけ脱力させる。ガバの上で指が動きはじめるくらい。

 

 ラストガバにステイしつつ、いろんなシェイクをためす。頭上でシェイクしたり、特定のことばくり返しブツブツいったり、とにかくパンプしていることを忘れる努力をする。心臓の鼓動に耳を澄ませ、それがゆっくりになり、平常時に戻るのを感じるように努める、というのも考えられる。

 

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 こうした練習を続けることで、自分にしっくりくるレストの仕方(レストガバでの振舞いかた)が身につくのかもしれない。兎もかく、レストのメンタル的側面について調べる必要がありそうだ。以上、連絡おわり。