アーバンボルダラーとしては、週末は岩に行きたい。もうそろそろシーズン入りだなあと思った時に、ふと気がついたのは「実はシーズンもへちまもなかったのではあるまいか」ってこと。
岩に行くことによって岩登りは上達する。ジムで登ることによってジムでの登りがうまくなる。岩登りとジム登りはイコールではないから、シーズンオフとはいえ、たまには岩に触れたほうがいいのではなかろうか。たとえコンディションがわるくて勝負にならなくても、一生懸命岩にかじりついていれば経験値はたまるのではあるまいか。
逆に、たとえば初夏から秋口にかけてずーっとジムにこもってインドアでトレーニングに励んで、さてシーズンに入ってみるとなかなか調子が上がらない、ということもありそうである。これだと気持ち的にガックリきて悪循環に陥る危険がある。
「夏じゅう修業したのに弱くなってる・・・!」
実際はそんな筈はなくて、たんに岩モードに入れていないだけなのだが、期待をかけていたぶん、成果がすぐに出ないとショックは大きい。岩とジムとはちがうということを、われわれはつい忘れがちである。
こんな形で数週間も精神的暖気が要るようになったら勿体ない。オフとはいえ、たまに岩に触れることで、岩モードをキープし、それによって実質のシーズン期間も延ばすことができるものか、どうか。
35℃で湿度90%のコンディションで登ろうとまではいわないが、まあ、たまにはコンディションや成果のことなど考えず、ただ出かけるのもわるくはないだろう。
そんなことをいっているあいだにシーズンが到来した。ひとまず岩に行こう。