技術だ技術だといったそばからパワーの話。人生ブレてナンボです。
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パワートレーニングって別にキャンパスボードがなくてもできるよね。と、いうか、そもそもパワトレって何だ? 食えるのか?
接触筋力(コンタクトストレングス)の向上、指力強化、引きつけ力強化、どれも正解な気がする。だからこれらが強化されれば、別にキャンパでなくてもかまわない、筈。
冒頭からパワーパワー連呼しているが、ここではひとまず力×スピードというかたちでとらええておく。厳密にはまたちょっとちがうのだろうが、実践的な理解としてはこのくらいでいいだろう。トレーニング界の住人ならいざ知らず、strengthとpowerのちがいなど日常的には問題にならない。
ちなみに、あるエクササイズがパワートレーニングかどうかは、その動きをスローにしたり中断できるかどうかで判断できる。スクワットはスローにできるし動作の途中で静止することができる。一方、ボックスジャンプではそうはいかない。後者はパワートレーニングである、というふうに。
力はforceで、爆発的な力発揮(瞬間的、速い)がpower、通常の力発揮(出力と速度をコントロールできる範囲の力発揮)=strength、より持続的な力発揮=staminaというすみわけだろうか。とりあえずビッグウォールクライマーはスタミナのカタマリでスーパータフである。スタミナとタフネスのあいだには親和性がありそうで、このへんになるとメンタルの強さも混じってくるように感じられる。
なんだか微妙にスッキリしないのはstrengthの訳語がうまく出てこないからで、力はforceで使ってしまっているし、パワー=力×速度といって落着かせようとすると、strength trainingって、physical trainingとおなじでカタカナにするくらいしか思いつけない。筋力トレーニング? いや、筋力はstrength of muscle とかmuscular powerだろう。
ひとまず、ストレングスは筋力、あるいは速度を制御しつつ出せる強度、くらいでお茶を濁しておく。
・・・とはいえ、じぶんがいま何をやっているのか肚に落ちるようになるから、ただの言葉あそびに終わらないように気をつけて、このへんは整理しておかんとな。つべこべ言わずに跳ぶのもいいが、跳ぶ前に見るのも大事だし、向こう側までの飛距離を出すには、跳ぶことについてよく分かっておかねばならぬと思う。
・・・まあいい。話を戻そう。
ええとだから、これって前傾壁でボルダー課題をキャンパしたっていいよね、という話。むしろキャンパより実際のクライミングの動きに近くなっていい気さえする。ンーでも負荷の調整がしにくいし、左右差も出やすくなるか。
たしかに、キャンパスボードのようにフォーマットがきまっている方が、左右バランスがとりやすく、トレーニング条件を管理しやすい。負荷のかかり方が一様なので、多少は怪我のリスクが低くなる、といえるのかもわからない。
しかし言いかえるとこれはおなじ箇所を何度も使うから蓄積疲労が・・・いや、トレーニングってそういうもんですね。どうしても指先という末端にたやすく強い負荷をかけることに不安を感じるが、このあたり完全に一長一短というか、考えかたしだいになってくる。
トレーニングをはじめる前にトレーニングのやり方に万全を期そうとすると、おじいちゃんになってもとりかかれないということになりかねないから、強度の調整と過負荷の原則、怪我のない範囲でこれらが守れていれば、何はともあれはじめるべきなのだろう。ドラクエでエアラットを倒してLV99にするか、おおねずみを倒してLV99にするかくらいの違いなのだから。
・・・ン、けっこうちがう?