雨の日と

 アゴタ・クリストフの『悪童日記』に「形容詞と副詞を使わない」ことについて書かれているらしい。また、文章に限らず、表現というものは不自由にしたほうがおもしろいものができる、とも聞く。たしかにそうかもしれない。

 

 とはいえ、それってかなりの縛りだな。私も表現にもっと制限を加えて、なにが起こるかみてみようか。クリシェ禁止、「でも」禁止、「〜という」禁止に加えて、ひとまず形容詞を禁じてみよう。

 

 毎日毎日オフィスで一週間くらいの登りの予定を立てるのだけど、その通りのことをほとんどできていない。家に帰ると気分が変わるからである。My mood changes at the drop of a hat.

 

 もっと言うと、午前中に立てた予定が午後にはもう変わったりする。できるだけ改良しようという意識からだが、予定を考えるだけで時間をずいぶん使っている。黙ってはじめたほうがいいんじゃないか。

 

 思うに、予定を立てることに汲々とするよりも、セッションのあとに、実施したことを記録するよう心がけるべきなのだ。実際にしたことを蓄積していかないから、予定にも実が入らないのである。

 

 しかし終わってから記録するのは気がのらない。予定を立てているときに充実しているのだろう、きっと。