ボブ・グリーン

 室伏重信氏の『その瞬間にかける』という本がおもしろかったのでメモ。

 

 筋力と反応速度と持久力からなる体力、技術、そしてメンタル。体力を維持する努力をしつつ、技術とメンタルを向上させることで、競技者としてのピークをなん度も実現できる。登りなどなおさらそうだと思う。

 

 まったく、じぶんがしている体力向上の試みなど、競技者からすればコンディショニングにすらなっていないのである。じっさい、単純に一日おきに短距離ダッシュでもして身体を目覚めさせるだけで、パートタイムクライマーの多くはパフォーマンスが上がるのだろう、きっと。

 

 これをしないのは己のパフォーマンスに対する欲が足りないというよりは、たんにワガママなのだろう。己をスポーツマンと捉えていないクライマーはゴマンといるからね。私もそうです。登るのがおもしろいのであって、それ以外のことはしたくないのだ。継続しないともとのレベルに戻ってしまうとあってはなおさらである。

 

 つまるところ、スポーツマン寄りのクライマーもいれば、求道的なクライマーもいれば、酔狂なのもいる。陰気なのもいれば陽気なのもいる。群れるのもいるし単独の奴もいる。たんに登っている奴と遊ぶほうが好きな奴もいるし、クライミングで遊ぶ奴もいるし、クライミングで人生が変わってしまう奴もいる。ほんとうにいろいろだ。

 

 プッシュすることを忘れずにつづけること。向上できると信じること。信じる者は足を掬われる、なんていうひともいるが、聞く耳はもっていない。

 

 想像できることは実現する可能性がある。信じないところにはなにもない。想像したとき、それが実現するか、想像を超えたことが起こるのだ。そう思う。