スキルの獲得段階

1 何やっても伸びる時期。高校や大学の頃、わけもわからずウェイトルームに乗り込んで、これまた訳は知らんがとりあえず重たいなあと感じるものを持ち上げたりする。果てるまでトライして、それを週に何回か続けると…あら不思議、強くなりますね。控え目に言って「かなり」強くなる奴さえいる。まるで算数のように記録が伸びていく。

 

 でも長くは続かない。いつかは魔法が解けて頭打ちがやって来て、経験者やトレーナーなりにアドバイスを求めに行くことになる。あるいはウェイトルームから出て二度と戻らない。後になって「あのときは何かようわからんけど強くなったなあ。何だったんだろう」などと思い返したりする。

 

 思うにクライミングでも大抵はここ止まりなような気がする。ジムに行って、友だちとセッションして、派手なダイノで盛り上がって、プラトーになってそのまま、というケース。私もそうである。

 

2 何やっても伸びるわけではなくなってきたら、動画を観たり、上手い奴のしていることを見たりして、真似をする。たとえばぶら下がったりキャンパをしたり。これは刺激が変わるのでしばらくは伸びるのだが、たんに真似ているだけで自分の特性や弱点を考えてはいないから、やっぱりそのうち行き詰まる。そうなると次は

 

3 何らかのメソッドに従う。これも全うすれば一定期間は伸びるよね。本を買ったりコーチについたり。ところがです。クライマーなんて種族はこの手の学びにもう根本的に向いていないのだな。すぐに「なんでこれやんなきゃなんないんだろう」などと考えだしてしまう。あるいは「ここをこうすればもっと良くなるんちゃうか」と思って遵守すべきプランを変えてしまう。一定期間、言われた通りに一貫した内容のトレーニングを継続することがこの方法の要なのに、そいつを簡単に放り出してしまうのだな。踊らされるよりは踊りたいもの。私もそうです。

 

 こうなると1か2に戻ってしまう。どうすりゃいいんだのび太くん(続く)