Fewer Mistakes→Faster Sends→

 More new rock climb.

 

 落ちる原因は個別具体的に考えていくと本当にいろいろある。ギリギリのところをトライする時、登れることより敗退することの方が多いわけだけれど、何かすごいハードなムーブを起こせなくて、というよりは、少しずつの不足が積み重なって、壁から剥がされることの方が多いような気もする。

 少しずつ足置きが雑になって、ホールディングが不十分になって、重心移動が上手くいかなくなって、あるいは体幹がよれて、ムーブの精度が落ちたりメンタルが削られたりして、つまり少しの誤差やダメージが蓄積して、結果として我々を完登から遠ざけてしまう。

 

 それでひとつ確認しておいていいのは、疲労した状態でムーブの精度が下がるのは当然だということだ。クライミングのような遊びではとくに。あえてメンタルを危機にさらしたまま同時にそれをコントロールしようと試み続けているわけだもの。

 最終的には完登という形で危険から離れることにはなるのだが、登っている最中はキケンを知りながらそこにとどまったまま自力でリスクを下げようとし続けることになる。リスク回避を真剣に考えるなら、そもそも登らないか、あるいは反対側から登るよね。それをあえて難しい方から行くのがクライマーという種族であるように私には思われる。

 

 

 で、結局何が言いたいかというと、パワーエンデュランス系のトレーニングで適応するのはフィジカルにとどまらずメンタルもだと、再確認したかっただけなのです。

 

 キャンパとボルダーを組み合わせたトレーニング法を見つけたので以下に載せます。長モノはもちろんパワーエンデュランスも、混雑したジムでは実践しにくいことがあるから、こうしたトレーニング法が有効な場面はあるものと思われる。

 

1 キャンパスボードを使って足ありで30秒間左右対称に大きなムーブを繰り返す。タッチーズ(1-4-1-4-1-4)とか。

 

2 ぎりぎりオンサイトできる難度のボルダー課題を登る

 

3 1→2+30秒レストで1セット。これを3〜5セット。

 

 とくにキャンパでは前腕よりは背中が疲れるように狙うこと。難度を上げたければキャンパの距離を伸ばすか2の難度を上げるか、またはキャンパの前にハードなボルダー課題を入れる。この練習で意識すべきは意識の持ち方で、疲れてきた時精度が下がるその傾きを、気合で(!)小さくしようというのがそれです。非合理? 結構。コケ、コッコウ。

 

 スマートに登るのもいいが、登りきるのに気合は不可欠だと思う。あまりに効率的で洗練されたスタイルを求めすぎると、代償として泥臭さや「コケの一念」といったものが失われるような気がする。

 

 こうした練習によって、疲労に慣れ、それに立ち向かうメンタルを醸成することができれば、疲労によるミスが少なくなって、ミスが減ればよりそれだけ早く宿題を回収できて、結果として新しい課題にどんどんトライできるという寸法。

 

 実際そんなにうまくいくかはわからんが、何とかこういう循環に入りたいものである。